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Channel: スポーツナビ+ タグ:インターネット放送
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高校スポーツにおける興行的施策の導入

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全国高等学校体育連盟が主催する“高校総体”、所謂、インターハイは、今年から入場有料化を導入するらしい、というニュースが昨年末にありました。ここ数年、国体においての課題と同様に、開催地の負担が膨らみ、逆に地方行政の台所事情の苦しい中での施策として検討されていたもの、ということです。今年は、奈良県を中心に近畿地区で開催されますが、昨年の埼玉総体を例にすると、全29競技が行われており、これらの競技会場を確保していくのも、もはや単独県では難しい規模にまで高校総体も大きくなってきたのでしょう。それに伴って、参加する選手や関係者の数も、昨年の数値だと約33,000人を超えるものになっているようです。人数的な規模だけで見ると、冬季オリンピックと然程変わりません。聞くところによると、正確な数値は定かではありませんが、高校総体の開催費は、その約1割が全国高体連が出し、残りの9割は、開催地の負担となっているとのことです。つまり、この開催地が負担できなければ、広域地域での分散開催もやむを得ない状況になってきた、ということなのだと思います。ちなみに、ここ最近だけでも、2004年の「中国04総体」、2006年の「06総体THE近畿」が広域地区開催となっており、来年の近畿地区での開催は、主要開催地は異なりますが、またまた近畿での開催ということになっています。当然のことながら、国体と同様に、高校総体をやるから新しいスポーツ施設を新設しよう、などというバブリーな発想は、もはやどこの都道府県も考えないでしょうし、国体ですら、新しいスポーツ施設環境を整える良い機会、と言ったような考えは、もはや地元住民の感情を逆なでするだけのものです。2ヶ月ほど前、昨年の埼玉総体において、初めて本格的な動画配信事業に取り組まれた方にお会いする機会がありました。このブログを通じてご連絡を頂き、お会いする機会が生まれたものなのですが、その際にも、興味深いお話しがありました。2008年に埼玉県全域で開催された埼玉総体は、全29競技に延べ2,000校もが参加して行われたようですが、その中で、大会の公式ホームページを通じて、競技の様子が中継映像として動画配信が行われていました。私も何種目かの競技を除いてみたのですが、本来CGで画面に出る得点経過や時間等の表示はないものの、1日に限定ではあるもののライブ配信の競技もあり、いままで、開催地区のローカル放送を除いてはテレビ中継がNHK教育テレビでの1時間ほどの放送しかなかったのですから、なかなか興味深く見させていただきました。(大会が行われている、という観察には十分でしたが・・・。)高校総体でのインターネットを通じての動画配信は、2007年の佐賀総体から始まったということでしたが、その際には、開催権である佐賀県からの事業予算の中で実施されていたらしく、埼玉総体では、その負担を県の開催費予算に依存せずに、民間主導で独自の財源を集めて行ったことが最大の特徴だった、ということです。光通信のインフラ整備が進み、いまや全国どこでもブロードバンド環境が整うようになり、今後ますますこうしたインターネットによる動画配信が、スポーツ中継でも行われていく時代になっています。しかし、インフラ環境がいくら進んでも、またイーターネット技術がいくら高度になっても、問題は、そこに利用されるコンテンツとしてのソフトに対する課題で、その点に関しては、まだまだたくさんの課題があるように思います。◆映像著作権の問題◆放送事業と情報(サービス)との区分◆収録した映像の2次使用権の問題  など・・・巨大な放送権で話題になる世界的なスポーツイベントにおいても、2000年初当時の最大の課題は、インターネットによる放送権の処理に関してのものでした。放送局ではない通信事業者やIT企業によるインターネットに関する権利の取り扱いは、そもそも放送と情報の区分と言う課題に対して、技術の進歩ばかりが急激に進み、権利処理という契約などの事務的実務が追いつかない事態が、その問題の輪を広げていたように感じています。理屈で権利を保護しようとしても、技術がどんどん進みすぎて、それらを規制する術が追いついていないのです。高校総体レベルでそんな大事に・・・、と思いがちですが、それは、悪い言い方をすれば田舎者の思いつきに終わってしまう危惧があるように思います。インターネットと言えども、放送は放送であり、きちんと事業者としてのスタンスが必要でしょうし、最低限のクォリティは求められるはずです。また、そこにコマーシャルを導入して事業収益を得ようとする場合、放送される番組のクォリティを更に求めていかなければ、番組スポンサーに対しての責任はどのように果たしていくのか、という課題も最初に考えなければなりません。もし、単なる情報としてのサービス事業なのであれば、それはそれで大会のPRという側面からも素晴らしいことだと思います。しかし、そこに独自のスポンサーを導入しようとする発想は、かなり無理があり、それならば、そのサービス事業を支える原資は何処で調達するか、ということで、結果的には誰も真っ当にハッピーになれる環境ではないように感じます。3万人以上の選手たちが、29競技で高校チャンピオンの座を目指して凌ぎを削る総合競技大会であるインターハイへの出場は、日頃スポーツをやっている高校生たちにとっての最大の目標であるはずです。少なくとも、その大会の存在価値は認識しているでしょう。そして、学校や保護者などの関係者を含めた多くの地元の人たちの応援する対象であることも事実です。だからこそ、そこにビジネスチャンスもあり、単なる儲け目的ではなくとも、開催費の負担軽減などに興行ノウハウを応用しようとすることも、十分に理解できます。しかし、そうした施策で得られる利益や利点が、大会のためにどのように循環されるものなのかを、もっと事業プランとして明確に示さないと、お金を支払う入場者や協賛金を支払うスポンサーに対して、幾分配慮を欠いたものにはならないでしょうか?。

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